かんのんさん
阿弥陀三尊の一尊「観音さん」です。観世音菩薩、観自在菩薩と言いますが、「かんのんさん」が一番お馴染みです。
そのかんのんの体内からは墨書が見つかりました。
戒名が書かれており、当時の人々の信仰の高さが伝わります。
観音信仰は日本では一番と言えるほど昔から盛んで、「聖観音」「千手観音」「馬頭観音」「十一面観音」「准胝観音」「如意輪観音」の6観音は死後の世界である六道(りくどう、ろくどう)輪廻から救う仏さまです。
また、西国三十三所観音巡礼は日本では最古の巡礼で、1300年の歴史があります。
この「かんのんさん」も非常に重度な傷を負っています。少しでも早く人々をお救いするという意味から「かんのんさん」は特に前屈みの状態で作成されています。
足元の台座も腐敗している箇所も見られます。
光背も、装飾品も他の仏像とは一味違い、特に美しい仏様の姿にお戻りいただけと事がと思います。