塗膜の剥がれ

27体の仏さまもさまざまで軽度な手術で済む方もいらっしゃれば、何日時間も何週間、何ヶ月も手術時間を要する方もいらしゃいます。

この方はかなりの重症です。

塗膜が剥がれてパリパリの状態です。まず、汚れとほこりを取り、そこから塗膜を少しずつ柔らかくして元の状態に貼り合わせねばなりません。

通常の仏像修復は剥がれそうな塗膜は取ってしまって、塗り直すして金箔を貼り直す事が殆どで、時間も費用もその方が手際良く済むそうです。しかし今回の修復は傷みやキズもほとけ様の歴史であり日本を地域を守ってきた証である考えから、残っているものは全て残し、塗膜も全部元に戻すというかなり大掛かりな修復方法をとっています。